朝の情報番組ZIPでは月曜日から金曜日まで、速水もこみちさんがリクエストに応え料理をするのですが、短い時間ながら楽しみにしている人も多い人気のコーナーです。
ジャンルは広く洋風、中華、エスニック、スィーツの時もあり、見たこともない野菜や調味料が使用されることもめずらしくありません。
先日速水さんが使用した調味料が謎と言われているようです。
謎とは何なのか気になりますね。
日本にもあった謎の調味料
今回使用されていたのは、ボッタルガというイタリアの食材でボラやマグロの卵巣を塩漬して熟成、乾燥させたものでした。
ZIPのこのコーナーは5-6分と短いため、食材や調味料についての説明はありません。
確かにボッタルガという言葉は、普段聞くことはほとんどないと思われます。
しかし日本にも別の名前でありました。
カラスミです。
食べたことがある方もおられるのではないでしょうか。
筆者は友人の結婚式で食べたことがあり、 おいしかったのを覚えています。
日本国内ではボラを使用するのが一般的ですが、香川県ではサワラを使用するようです。
起源は古代ギリシャやエジプトと古く、日本へは安土桃山時代に明から伝わったとのことです。
けっこう昔から存在していたのですね。
1本100gで約3000円、パウダー100gで約2500円くらいからもっと高価なものもあり、普段に使用するには少し難しい価格のようです。
完成品はうま味成分が4倍に!
カラスミは血抜きやスジを丁寧に取るなど繊細な作業と、3週間から1ヶ月の時間が必要です。
日本でも海外でも作られており、 長崎県総合水産試験場が県内の7社の試作、成分分析を聞き取り調べました。
その結果卵巣を塩漬した時と乾燥後では、なんとうまみ成分が約4倍に増えることがわかったとのこと。
倍ではなく4倍というのがすごいですね!
遊離アミノ酸という物資の量が上がるのだそうです。
この約1ヶ月の間に熟成が進むのでしょう。
お手軽とは言えない食材ですが、かなり昔からあったということは一部の人は味を楽しんでいたということですね。
豊臣秀吉も徳川幕府の人達も味わっていたカラスミ
カラスミは唐墨とも書かれその由来は、中国伝来の墨に似ているからと言われています。
肥後国(現在の佐賀県、長崎県の一部)の名護屋城を豊臣秀吉が訪れたことがありました。
カラスミを出された際に、何かを尋ねられた長崎代官の鍋島信正がシャレで唐墨と答え、そう呼ばれるようになったとも言われています。
長崎県の高野屋は創業約340年で、江戸時代中期から徳川幕府にカラスミを献上していたとのことです。
将軍家の方達も楽しんで味わっておられたのでしょうか。
時には珍しい味にトライしてみよう
TVの料理コーナーで速水もこみちがボッタルガを使用
細かい説明が無く謎の調味料と話題に
使用されたのはボラなどの卵巣で作られたイタリアの食材ボッタルガ
起源は古代ギリシャやエジプトで安土桃山時代に日本へ
価格は100g¥2500-¥3000ほど
塩漬し、乾燥後にうまみ成分が約4倍に
カラスミは作るのに手間ひまがかかり、その分お手軽とは言えないですが、昔はおそらく一部の人達しか口にすることはできなかったことでしょう。
たまにはちょっと贅沢な食材も使い、珍しい味を楽しんでみるのも良いのではないでしょうか。